「SNSでシェアを獲得するにはどうしたら良いだろう?」
「バズりやすいコンテンツとは?」
ネット上ではなぜ流行(バズる)が起こるのでしょうか?
これまで多くの研究によると、強い感情、特にネガティブな感情を表現したSNSの投稿が拡散される傾向があります。
バズったツイートの特徴
今回、PNASに掲載された研究では、投稿内容が大きな影響を与えると思われることが特定されました。
ケンブリッジ大学のSteve Rathje氏らの研究によると、TwitterやFacebookの投稿では、政治に対して敵対的な言及が多いほどシェアされているそうです。
このような投稿が人気を集めるのは、政治的に敵対するグループに対する怒りなどの感情に訴えかけているからではないかと研究チームは考えています。
60%以上バズりやすくなるツイート内容
最初の研究では、過去数年間に、リベラル系または保守系のメディアが行った数十万件のツイートとFacebookの投稿を調べました。
研究チームは、SNSへの投稿内容が、その投稿が共有されること関連するかに注目しました。
研究チームは、テキスト分析研究用に作られた既存の辞書を用いて、各投稿に含まれるネガティブおよびポジティブな感情を表す言葉の数と、「道徳的・感情的」な言葉の数を調べました。
また、「共和党」派よりの言葉と「民主党」派よりの言葉のを集め、比較実験を行いました。共和党の辞書には「ドナルド・トランプ」や「右翼」、民主党の辞書には「ピート・ブッティジェグ」や「左翼」など、どちらかの政党に関連する政治家の名前や政治用語が収録されています。
研究チームは、ネガティブな感情を表す単語を多く含む投稿ほど、シェアされる頻度が高いことを発見しました。
ネガティブな感情を表す単語を1つ追加するごとに、投稿がシェアされる回数が5〜8%増加しました。
同様に、ポジティブな単語を追加するごとに、シェアされる回数が2~11%減少しました。
道徳的・感情的な言葉はさらに強い効果があり、シェア数が10~17%増加しました。
これらの結果は、ネガティブでモラルに欠ける投稿がシェアされる傾向にあるという過去の研究結果とほぼ一致しています。
しかし、本当に興味深い発見は、政治的な言葉の分析から得られました。
例えば、リベラルなメディアの投稿には、民主党の辞書に載っている言葉が使われているなど、政治に対して保守的な「グループ内」の言葉が多いほど、シェア数の増加につながりました。
しかし、最大の効果は、政治に対して批判的・敵対的な「アウトグループ」の言葉(例:共和党の辞書に載っている言葉を使ったリベラルメディアの投稿)によるもので、アウトグループの言葉を1つ増やすごとに、シェアが35~57%も増加したのです。
つまり、政治に対して批判的・敵対的な投稿がシェアを集めました。
誰がやってもバズるのかを検証
2つ目の研究では、同じ方法で、議員の投稿を対象にしました。
結果はほぼ同じで、否定的な言葉や道徳的な感情を表す言葉はシェアの増加に関連していましたが、政治に対して批判的・敵対的な言葉の方がはるかに大きな効果がありました。
今回の研究では、政治に対して批判的・敵対的な言葉を追加するごとに、シェアが65~180%増加しました。
両方の研究の結果を見ると、全体として、政治に対して批判的・敵対的な言葉は1つにつき約67%シェアを増加させ、これは否定的な言葉や道徳的な感情を表す言葉の効果よりも数倍大きいと結論づけています。
以上の結果から、人々は、政治を誹謗中傷するような投稿を共有する傾向があることわかりました。
まとめ
- ネガティブな感情を引き立てる内容がバズる
- 政治に対して敵対的な言及が多いほどシェアされる
- ただし、それ相応のフォロワー民度の低さの覚悟が必要