「スマホ依存は鬱と関係があるのだろうか・・・?」
「どんなアプリがメンタルに悪い影響を与えるのだろうか?」
スマホが若者に与える影響については、よく議論されるテーマです。
スクリーンタイム(スマホの使用時間)の増加は、若者のメンタルに深刻な影響を与えているのでしょうか?
それとも、若者がスマホを利用することで直面するリスクは、それほど無いのでしょうか?
スマホの使用が与えるメンタルへの影響
Radboud University NijmegenのNastasia Griffioen氏が率いる研究チームは、スマホがメンタルに与える影響については「スクリーンタイム」から、ストレスの調節機能がSNSの利用にどのような影響を与えるかを調べることでした。
18歳から25歳までの114人の参加者が、抑うつ、不安、感情調整、自己理解、拒絶感受性の測定項目を記入しました。
参加者を、ストレスを与えるグループと、与えないグループの2グループに分けました。
- ストレスを与えるために、録音されている状況でプレゼンテーションを5分間行わせたグループ
- 2つのプレゼンテーションを見て評価するだけの比較コントロールグループ
その間、参加者には知らせず、カメラで参加者の行動を記録しました。
そして、携帯電話の使用状況を詳細に観察していました。
その後、参加者はビデオを見せられ、携帯電話で新しい活動を始めるたびに、その動機、考え、感情を記録しました。
しかし、この結果から、ストレスの調節の違いは発見できませんでした。
参加者の96.5%が10分間のうちのどこかでスマホを使っており、そのうち80%は実験者が部屋を出るとすぐにスマホを使い始めました。
また、48%強の参加者が10分間フルにスマホを使っていました。
そして、参加者のスマホの使い方は、様々でした。
SNSを中心に利用する人もいれば、オンラインショッピングや記事の閲覧、ゲームをする人もいました。
また、アプリの切り替えが1回だけの人もいれば、21回も切り替える人もいました。
携帯電話を使った活動中に「嫌な気分になった」と答えた参加者は全体の4分の1しかおらず、そのような嫌な気分は、スマホを使用していない間の社会的な交流とは関係がありませんでした。
SNSで誰かが投稿したものや送ってきたものを見て嫌な気分になったという人もいましたが、このような参加者は少数でした。
また、94%近くの参加者が、携帯電話を使っているときに、面白い投稿に笑ったり、何かに興味を持ったり、フィードを見るのが楽しいなど、ポジティブな感情を抱いたと回答しています。
最もメンタルに良い影響、悪い影響を与えたアプリ
最もポジティブな感情を抱いたのは、メッセージングアプリでした。
このようにスマホの行動に違いがあることがわかったので、研究チームは研究開始時に測定した精神的な健康症状に注目しました。
うつ病の症状が強い人や、不安症な人は、SNSを退屈しのぎに使用しており「ポジティブな感情が少ない」と報告しました。
そして、同時にFacebookを利用する傾向も強かったのです。
メンタルが安定している人は、メッセージングアプリに費やす時間が短く、メッセージング、SNSの使用、スクロール中にポジティブな感情を感じることも少ないという結果でした。
一方、自己への思いやりレベルが高い人は、ポジティブな感情を感じることが多く、さまざまなSNSを利用し、スマートフォン以外の活動にも積極的に参加していました。
スマホ使用時間を指標にスマホの良し悪しは語れない理由
このように、スマホの使用はどこでも見られるものですが、参加者が選んだ活動、その活動に対する気持ち、そしてその両方に影響を与えるという個人差がみられました。
研究チームは、「若者がさまざまな方法で、さまざまな理由で携帯電話を使用していることから、”スクリーンタイム”を論点に議論を行うことは無意味である」と主張しています。
このように、携帯電話の使用はどこにでもあるものでしたが、参加者が選択した活動、その活動に対する気持ち、そして両者に影響を与える個人差については、明らかに異なっていました。
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